新・つばさ通信

(第12号)



    
 第12号      薬害肝炎九州訴訟支援連絡会発行 2007年5月7日


 3月23日に東京判決が出た翌週、全国の原告・支援者が厚生労働省前で座り込みを実施しました。
座り込み3日目、『要請書』を、官房副長官に提出することもできました。政治的にも全面解決に向けた動きが活発化しています。
 このような情勢の中、5月21日(月曜日・14時から)に、薬害肝炎九州訴訟・第1陣原告の高等裁判所第2回目の期日が行われます。原告4名(山口美智子さん、出田妙子さん、小林邦丘さん、9番さん)、弁護士2名の意見陳述を行う予定です。
ご家族・ご友人の皆さまとともに、是非とも傍聴へお越し下さい。


薬害肝炎九州訴訟 福岡高等裁判所(第1陣)の期日
平成19年5月21日 月曜日 14時00分

13時   裁判所前集会
13時30分頃   抽選整理券の配布
14時   裁判(福岡高等裁判所・501号法廷)
16時30分頃   記者会見・報告集会(福岡県弁護士会3階ホール)



 〜〜東京判決後の報告〜〜

 ★ 抗議の座り込み行動

 大阪訴訟・福岡訴訟・東京訴訟の3判決にもかかわらず、「薬害肝炎の全面解決」という要求に背を向け続ける厚生労働省に対し、抗議行動として座り込みを実行しました。
 「かえせ!生命を」というスローガンで、28日から東京日比谷公園で原告たちみずからが座り込みを行いました。体力と気力を消耗しながらの辛い座り込みでしたが、ついに30日、首相官邸から面会に応じるとの連絡がきました!!
 同日17時、山口美智子原告団代表、鈴木利廣弁護団代表が、首相官邸にて、下村官房副長官に要請書を渡しました。
 そして、下村副長官から、「安倍首相の声と思って聞いてください、政府と与党と一緒になって、この肝炎問題の解決に向かっていまから進めていきます」との回答をもらいました。
 その後、17時40分から、山口原告団代表、鈴木弁護団代表により、日比谷公園で要請行動の報告会を行い、山口原告団代表により「座り込み」行動を解除する宣言をしました。



座り込みの様子。実名公表していない原告はテントの中で、実名公表原告はテントの外で座り込みをしました。


 ★ 座り込み応援に駆け付けてくださった方々


 座り込み3日間に応援に来てくださった国会議員・評論家・他原告団の方々です(敬称は略させて頂きました。また一部漏れもあります)。この場を借りて、御礼を申し上げます。

 1日目(28日)
   山井和則   衆議院議員 民主党
   川田龍平   薬害HIV原告
   吉田万三   東京都知事候補
   横井久美子  原爆症原弁(歌手)
   家西悟    参議院議員 民主党 
   柚木道義   衆議院議員 民主党
   木村     B型肝炎原告団
   川田龍平   薬害HIV原告
   別府     薬害オンブズパースン事務局長
   間宮     いしずえ
   三井辨雄   衆議院議員 民主党
   田名部匡省  参議院議員 民主党
   郡和子    衆議院議員 民主党
   薬害タミフル被害者家族
   櫻井よしこ  ジャーナリスト
   細野豪志   衆議院議員 民主党

 2日目(29日)
   菊田真紀子  衆議院議員 民主党
   菅 直人   衆議院議員 民主党
   森ゆうこ   参議院議員 民主党
   枝野幸男   衆議院議員 民主党
   小池 晃   参議院議員 共産党
   三日月大造  衆議院議員 民主党
   川端達夫   衆議院議員 民主党
   木義明   衆議院議員 民主党
   山井和則   衆議院議員 民主党
   末松義規   衆議院議員 民主党
   加藤公一   衆議院議員 民主党
   阿部とも子  衆議院議員 社民党
   黒川紀章   東京都知事候補
   浅野史郎   東京都知事候補

 3日目(30日)
 小沢一郎   衆議院議員 民主党
 細野豪志   衆議院議員 民主党
 佐高信    ジャーナリスト



 ★ 座り込み3日間を振り返って  原告 山口美智子

 「雨上がりの風」が吹いて」

 昨年の夏の陣(大阪判決・福岡判決)から歩みを止めることなく、東京判決まで突っ走ってきた。三度目の判決では、ホップ・ステップ・ジャンプできるものと期待しながら。そして、過去に厚労大臣との面談拒否という苦い仕打ちを二度受けても、僅かな望みながらも今度こそはと。
 私たちは、みたび勝訴判決という武器を手にして不退転の決意で臨んだ座り込みではあったが、柳沢厚生労働大臣の不誠実な態度に、胸中は土砂降りの涙が流れていた。3日目の朝、日比谷公園にも強い雨が降った。マイクを握る私たちを容赦なく濡らした後、暖かい日が差し始めた。
 来週も座り込み続行か、はたまた首相官邸強行突破かと覚悟を固めていた頃(午後4時過ぎ)、遂に風が吹いた。
 この追い風に乗って、全面解決という目標を獲得するまで走り続けなければいけない。
 闘いはまだまだ続けばゴールまで 手繰り寄せたし春をわれらに
 そして弁護団の先生方、お疲れ様でした。
 とりわけ東京弁護団の先生方、判決前から東京行動の手配りや気配りは大変だったことと思います。何せ、全国から多くの原・弁・支が東京に集結するのですから、マスコミや世間の目も東京に集注しました。
 これまでの4年半、弁護団の先生方を信頼して闘ってきたからこそ、私たち原告団もやっと心地よい風にあたることができました。ありがとうございます。
 これからは、全国の原・弁・支が更に一丸となって闘う時がきました。ゴールまで、原告団の伴走をよろしくお願いします。



4月3日 記者会見の様子


 ★ 政党の動き

 1: 公明党
 公明党の肝炎対策プロジェクトチーム(座長 赤松正雄議員)は、東京判決後の3月29日、政府に薬害肝炎問題の全面解決を求める申し入れを行いました。その内容は、以下の通りです。

 ・ 疾病に苦しむ患者・家族の一刻も早い救済のため、薬害肝炎問題の全面解決に向けた政治的決断を行うこと。
 ・潜在患者の早期発見・早期治療体制の確立が重要であることから、より一層の検査・治療体制の整備・充実を行うこと。
 ・患者の経済的負担の軽減及び生活の質の向上を図るため、医療費負担の軽減と治療水準の向上に努めること。



 平成18年8月31日 福岡判決後のヒアリングの様子

 薬害C型肝炎訴訟 原告団から要望聞く 党プロジェクトチーム
 公明党の肝炎対策プロジェクトチーム(PT、渡辺たかお座長、参院議員、参院選予定候補=比例区)は31日、参院議員会館で会合を開き、30日の薬害C型肝炎訴訟の福岡地裁判決を受け、薬害肝炎全国原告団と同弁護団から要望を聞いた。これには渡辺座長のほか、大口善徳、高木美智代、古屋範子の各衆院議員が出席した。
 福岡地裁判決は、出産時に止血剤として投与された血液製剤でC型肝炎に感染したのは国と製薬会社に責任があると認め、総額1億6830万円の賠償を命じた。会合の中で弁護団は、福岡地裁判決が6月の大阪地裁判決に続いて国と企業の責任を認め、救済範囲が拡大したことを評価した上で、請求の一部棄却を受け、全面解決を勝ち取るまで闘うと訴えた。また、国と企業が無益な控訴を断念し「被害者の声を直接聞いてほしい」と述べ、公明党に橋渡しを強く望んだ。被害者からは、感染して既に20年以上が経過し、肝硬変、肝臓がんへの不安や、治療体制の強化を求める声が寄せられた。
 渡辺座長は「何の落ち度もなく感染させられた被害者の声を重く受け止め、人間として、党としてしっかり対応を協議する」とあいさつした。 (以上、公明党HPより)


 2:  民主党
 昨年6月に「B型・C型肝炎総合対策推進本部」発足(本部長 菅直人議員、本部長代行 仙谷由人議員、事務局長 家西悟議員)。当時、川崎厚生労働大臣に対して「集団予防接種によるB型肝炎訴訟及び薬害C型肝炎訴訟の判決に関する申し入れ」を提出しました。
 昨年6月28日「原告・弁護団からヒアリング」、7月25日「弁護団から具体的施策に関するヒアリング」、8月30日「福岡にてヒアリング(菅代表代行は、福岡判決前日集会にも出席して下さいました)」を実施しました。



 平成18年8月29日 福岡判決前日、福岡における民主党原告団ヒアリングの様子
 菅直人議員・家西悟議員



 3:  社民党 
 「医療行為を原因とする肝炎患者の救済に関するプロジェクトチーム」を発足しました(座長 阿部知子議員、委員 衆参国会議員全員)。昨年7月21日には、「救済案」のとりまとめ、9月1日には原告団のヒアリングを実施しました。

 4:  共産党
 昨年、日本共産党国会議員団による、「薬害肝炎被害者とすべてのウイルス性肝炎患者救済のための恒久対策の確立を」を発表しました。

 5: 与党
 自民・公明両党が、薬害C型肝炎訴訟の原告患者救済案を検討する与党プロジェクトチーム(PT)を発足させる方向で調整に入っているようです。

 《毎日新聞ホームページより》

 薬害C型肝炎:原告患者救済案検討チーム、自・公で調整

 自民、公明両党は11日、薬害C型肝炎訴訟の原告患者救済案を検討する与党プロジェクトチーム(PT)を5月の連休明けにも発足させる方向で調整に入った。来年度予算に盛り込むことを念頭に、6月にも具体案をまとめたい考え。ただ、内容次第では巨額の費用が必要となり、救済案をまとめられるかどうかは不透明な情勢だ。
 与党PT発足は、厚生労働相経験者の川崎二郎氏(自民)、坂口力氏(公明)が協議中。C型肝炎訴訟で、東京地裁が3月23日、大阪、福岡地裁に次いで国の法的責任を認めたことが発端だ。与党は来年度予算で対応できる案を検討する意向だが、原告患者が求める医療費助成など本格的な救済策を国内感染者(約200万人)に実施するには、数千億から数兆円単位の費用が必要とされる。このため与党も「どんな案が可能かこれから詰める段階」(幹部)にとどまっている。(2007年4月11日)




 〜〜衆議院議員 山井和則先生より〜〜

 「つばさ通信」の読者の皆さん、こんにちは。私は衆議院議員の山井和則です。私は、肝炎問題に取り組んで、まだ半年あまりですが、知れば知るほど、いま政治決着せねば、永遠に肝炎の恒久対策はできないと痛感しています。共に頑張りましょう!

 私が、肝炎訴訟の原告の方々と接して痛感するのはその志の高さです。ご自分のことのみならず、「今ここで自分たちが戦わないと、全国の肝炎患者への対策が進まない」と、強い使命感を持って戦っておられます。訴訟の原告になることは心身ともに非常につらいことだと思います。しかし、そこを犠牲的精神で、「自分たちが戦わねば」と、頑張って下さっています。その姿に心を打たれて、多くの支援者の方々や、私たち国会議員も動いているのだと思います。

 3月末には原告や支援者の方々が、厚生労働省前で座り込みの抗議行動をされました。私は何度も、座り込みの激励に駆けつけましたが、現場に行き、原告の方々の訴えを聞くたびに、涙が出て止まりませんでした。
 「国会議員の一人として、一番、苦しんでおられる患者の方々に座り込みまでさせて申し訳ない。そこまでしないとなぜ、国は動かないんだ」という気持ちで、申し訳なくて仕方がありませんでした。国会議員の一人として、肝炎患者の方々を放置している現状は恥ずかしい限りです。

 原告の方々も支援者の方々も、誰も戦いたくて戦っているのではありません。しかし、誰かが心を鬼にして、戦わないと肝炎対策は進まないのです。

 原告や支援者の方々の必死の取り組みが実って、重い扉が少しは開きつつあります。訴訟の早期全面解決と治療費助成などの患者救済に向かって、首相官邸も動き出しました。座り込みの抗議行動が実って、3月末には、原告代表の山口美智子さんと弁護団長が首相官邸で、下村官房副長官に要望書を手渡し、要望を伝えることができました。安倍総理も「与党と相談して、肝炎対策に取り組む」と述べました。画期的なことです。

 そして、この要望を受けて、5月の連休明けには、自民党と公明党による「与党肝炎対策プロジェクト」が発足し、7月までに、肝炎対策をまとめるそうです。
 肝炎対策のすべてがこれからの2ヶ月にかかっています。何としても、この7月に与党が出す「肝炎対策」にインターフェロン治療などへの治療費助成をはじめとする患者の要望を盛り込み、一気に、訴訟の早期全面解決に持ち込みたいものです。

 もし、ここで十分な肝炎対策が出なければ、控訴は続き、最高裁判決まで、あと5年、10年、問題は先送り。肝炎対策は遅れ、多くの肝炎患者の救える命も失われかねません。決してそんなことになってはなりません。

 今までから必死に取り組んでこられた原告や支援者の方々に更にお願いするのは非常に心苦しいのですが、5月、6月に、改めて、与党肝炎対策プロジェクトチームに対して、強く要望を活動をして頂きたいと思います。


 もちろん、私も私の立場で、全力で応援します。

 患者の方々の最大の願いは、治療費助成です。早期に適切な治療を受けることができれば、将来的には肝臓がんで亡くなる人が減るうえに、医療費も高くつきません。その意味で、肝炎への治療費助成は100%正しい主張なのです。財政の問題ではないのです。

 しかし、「訴訟で戦っている」という国や厚生労働省の「メンツ」が、解決を遅らせています。

 ハンセン病、ヤコブ病、薬害エイズなど、多くの訴訟において、最高裁判決を待たずに、政治決着がはかられました。もし、淡々と訴訟を続け、その間、多くの原告や患者の方々がお亡くなりになることを放置するならば、国会議員は不要です。

 いま、この肝炎訴訟において、国会議員の存在意義が問われています。

 皆さん、「チャングム」という韓国の人気番組をご存知ですか? NHKで放映され、長いシリーズの番組ですが、私もすべて見ました。イ・ヨンエという女優が扮するチャングムという女性医師は、人生を賭けて病気の患者を救いました。
 最終回のシーンで、チャングムは患者への対応について仲間と対立します。その際に、チャングムが言ったセリフは、「人の命を救って何が悪い!」という言葉でした。

 厚い、厚い、国の壁と戦うのは大変なことです。しかし、原告や支援者の方々の活動は100%正しいことです。正しいどころか、「人の命を救う」「肝炎患者の命を救う」という人間として、もっとも尊く美しい活動をされています。

 皆さんの今日までの必死の取り組みによって、ようやく重い重い岩が動き出しました。しかし、あと一息。これからが勝負です。
 壁はまだまだ厚いですが、「人の命を救って何が悪い!」という確信を胸に、私も皆さんと共に頑張り続けます。

 
民主党衆議院議員 山井和則先生 メール:yamanoi@yamanoi.net
   →ご意見やご要望がありましたら、上記メールアドレスにお送り下さいというお言葉を頂いています。



 編集後記

 つばさ通信は、九州・沖縄・山口地区を中心に、薬害肝炎訴訟を支援する方々、B型肝炎・C型肝炎の患者さん・ご家族、学生さんなど3000名を超える方々にお送りしている通信です。
 「こんな記事を読みたい」、「こんな情報を知りたい」というご意見がありましたら、支援連絡会までご連絡下さい。

  =連絡先=   古賀克重法律事務所 (092-735-1193)




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