古賀克重法律事務所ブログ

福岡県弁護士会所属弁護士 古賀克重(こが かつしげ)の活動ブログです。

国内初の「アナフィラキシーガイドライン」、日本アレルギー学会が公表

日本アレルギー学会が11月5日、「アナフィラキシーガイドライン」を公開しました。

このガイドラインは、世界アレルギー機構(world Allergy Organization: WAO)のアナフィラキシーガイドラインをベースにして日本の実情に合わせて作成されたもの。

28頁の冊子ですが日本アレルギー学会のサイトからダウンロードでき、非常にカラフルで見やすくなっています。
なおガイドライン作成にあたり開示すべき利益相反関係にある企業はないということです。

アナフィラキシーガイドライン

先日のブログでアナフィラキシーショックが争点となった事例について、医療関係者と法律家のシンポジウムで取り上げられたことを紹介しました。

医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウムが開催(2014/11/7)」

そのシンポジウムでも「アナフィラキシーになっていると思ったときに、アドレナリンとかをすぐに投与していないというのはちょっと残念」という医療関係者の発言がありましたが、このガイドラインにおいても、第一選択としてアドレナリン投与が強調されています。

またシンポジウムで取り上げた事例は、先にハイドロコートン(ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム注射液)を投与してボスミン投与が遅れたものでした。

ガイドラインは、「薬物治療・第2選択薬(アドレナリン以外)」という項目でも、「第1選択であるアドレナリンが最優先である」と注意喚起しています。
その上で、グルココルチコイド(ヒドロコルチゾン静脈投与など)は、アナフィラキシーでの使用推奨度はCにすぎず、「作用発現には数時間を要する。したがって、アナフィラキシー発症後最初の数時間は救命効果はない」とされています。

さらに、気管挿管が難しかった時に、輪状甲状靱帯の穿刺・切開をすべきではなかったかという争点については、否定的な見解を述べる医療関係者が多かったのですが、ガイドラインでは「気管切開や穿刺が必要な場合もある」と明記しています(17頁)。

シンポジウムでも今回のガイドラインを作成した専門医が参加していたりすると議論の流れはやや変わってくるともいえますし、実務のレベルをガイドラインに近づける努力が求められるともいえるのでしょう。