古賀克重法律事務所ブログ

福岡県弁護士会所属弁護士 古賀克重(こが かつしげ)の活動ブログです。

10名の実名公表原告

5地裁で審理される薬害肝炎訴訟。その原告数は90名を越えました。そのうち、様々な理由から実名を公表して闘っているのは10名にすぎません。九州原告5名、大阪原告3名、名古屋原告1名、仙台原告1名。東京原告からはまだ実名公表はありません。

薬害肝炎

九州原告1番。山口美智子さん。2003年4月、九州訴訟提訴時に、全国で初めて実名を公表しました。そしてこの訴訟を運動面で引っ張ってきました。二人目の小林さんが実名公表した際、「これで少しは楽になります」と大粒の涙を流したのが印象的でした。それだけ初めての実名公表はプレッシャーとの闘いだったのです。

九州原告10番。小林邦丘さん。意見陳述の後、実名を公表しました。その後は、九州学生の会のメンバーの良き兄貴分として、また原告団の広報としてがんばっています。

九州原告17番。出田妙子さん。山口さんと同じ病院で、かつ同時期フィブリノゲンを投与され感染。熊本医療講演会で山口さんと再開し、訴訟を決意しました。先日の熊本集会を大成功させるなど熊本の運動を引っ張ります。2月22日の結審弁論では最終意見陳述を行います。

九州原告15番。福田衣里子さん。出産時にクリスマシンを投与されて感染。薬害エイズの第4ルート報道で念のため病院に問い合わせ、検査したところ、投与と感染が判明。それ以来、夢であったパン屋をあきらめ、現在も闘病中。22日の結審日に手記を全国で初めて発刊します。結審集会シンポで販売します。

九州原告12番。手島妙子さん。交通事故の手術の際にクリスマシンを投与される。アリゾナ大学の博士課程に入学し、アメリカ永住権を取得するなどアメリカで研究者の道を歩まれています。しかしながら肝炎の症状が進行し、研究や博士論文の完成に影響が出ています。証言の際、ご主人と来日し、実名を公表しました。

実名公表原告をおった薬害肝炎の特別番組が、週末、2月4日(土曜日)放映されます。提訴当初からこの問題を追ってきた槌谷記者の迫真のルポ番組。ぜひご覧頂きたいと思います。フジ系列では全国でも随時、放映されると思います。
TNC 「実名公表ー薬害訴訟原告の覚悟ー」 午後3時~3時55分。

2003年4月、血液製剤フィブリノゲンでC型肝炎に感染したとされる10人の原告が国と製薬企業を相手取り、福岡地裁に提訴しました。その中の原告の1人、山口美智子さんが全国で初めて実名公表に踏み切りました。山口さんは、全国5つの裁判所の薬害肝炎訴訟のシンボル的な存在になり、多くの人を共感させました。しかし、実名公表で世間の偏見とも戦わざるを得ませんでした。
同じように、血液製剤でHIVに感染した患者らが国や企業を相手に闘った薬害HIV訴訟。彼らも、偏見や中傷と闘い、結局国の謝罪と和解を勝ち取ったのです。「最も弱い者の武器は、自分の身体しかない・・・」薬害HIV訴訟の原告はそう呟きました。
子供たちの代まで薬害を繰り返したくない・・・。山口さんの決意が、実名公表への輪を広げました。九州訴訟では、これまでに5人が実名を公表し、この実名公表の原告たちが、全国の薬害肝炎訴訟を引っ張る原動力となってきました。まもなく、結審を迎える薬害肝炎九州訴訟。山口さんが周りに勇気を与え、その勇気が大きな輪になって、国や企業と対峙してきた原告たちの姿を描き出します。