福岡の弁護士 古賀克重法律事務所

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損害賠償

弁護士に求められるスキルとは

皆さんは、弁護士に求められる大事なスキル・能力として何を思い浮かべますか?

立て板に水の弁論能力でしょうか、裁判所を説得する論理性でしょうか、反対尋問で矛盾を追及する尋問技術でしょうか、主張を説得的に展開する文書能力でしょうか、どんな相手にもひるまない交渉能力でしょうか、依頼者に対する温和な物腰や十分な説明でしょうか・・・

もちろん全て大事ですが、差を分けるのは「損害賠償請求」のスキルなのです。

私が25年前、司法試験に合格して司法修習生として裁判所・検察庁・法律事務所を回って研修している時のことです。ちなみに当時は司法制度改革前で修習期間は2年間あり、じっくりと腰を据えて学ぶことができました。

弁護修習の時、お世話になっているS弁護士からこう尋ねられたことがあります。「古賀君、これから弁護士として活躍するために何が一番大事だと思うかね」。

S弁護士は東京地検特捜部の検事・次席検事を経て弁護士になり、弁護士会会長・日弁連副会長なども歴任している方でした。

準備書面の誤字脱字にも厳しいと評判で、裁判所内でも「S先生の準備書面の論理性と尋問技術はきっちり学んできなさい」と言われていました。そこで私が「論理性や尋問技術でしょうか」と答えると、即座に「違うよ、損害論、そして損害賠償請求だよ」と指摘したのです。

地方の名士であり一流企業の顧問先を多数抱えるS弁護士の意外な指摘に困惑する私に、続けてこう言いました。

「弁護士という生き物はどうしても知恵を誇りたくなるんだ。論理性だったり最新知識をね。だけど被害に遭遇して戸惑ったり、苦しんでいる依頼者にとっていかに適切な損害額を算定してくれるか。その請求をいかに実現してくれるかが一番大事なんだよ」

S弁護士は今もご健在で息子さんも弁護士になりご一緒に活躍されていますが、私はこの言葉を忘れずに20年以上の弁護士生活を送っています。

私が取り扱ってきた損害賠償請求事件の中から、印象深い事案をいくつかご紹介したいと思います。

事例集

事例1対大手警備会社~再現検証実験で盗難方法を立証

旅行中に2階建ての建物に侵入され、自宅の中の宝石貴金属類を盗難されたという事案です。全国的に展開する大手警備会社と警備契約していたにもかかわらず、犯行が起きたもの。中庭に面したはめ殺し窓が割られていました。

大手警備会社は「はめ殺し窓からは侵入不可能」と主張。親族が盗難して第三者を装ったことも疑っているようでした。

交渉は決裂。はめ殺し窓からも侵入可能である、はめ殺し窓にもガラスセンサーを設置すべきであった、また居住空間内に空間センサーを提供していなかった点について契約締結上の注意義務に違反していると主張して損害賠償請求訴訟を福岡地方裁判所に起こしました。

他の複数の警備会社に対するヒアリングを実施して、様々な警備マニュアル入手して証拠提出。その上で被告社員及び第三者の警備会社立ち会いの上での再現検証実験を行うことにしました。

実際にはめ殺し窓を音をしないように割って、男性がその部分に侵入できるか、時間を計測してビデオ撮影・写真撮影するという実験です。百聞は一見にしかずでいとも簡単に侵入できました。複数回繰り返してもスムーズに侵入できたのです。

この再現実験について写真撮影報告書を証拠として提出することによって、裁判所の心証も動き、尋問を経た上、1000万円近い金額にて和解が成立しました。

立証に非常に苦労した事案でしたが、様々なルートにアプローチする中で別の警備会社の協力も得られ、無事解決に至った事案になります。

貴金属類は亡くなったご主人からのプレゼントという思い出の詰まったものでした。「どうしても許せない」という依頼者のお気持ちに寄り添い続けたからこそ、解決を勝ち取れたケースと言えるでしょう。

事例2対PL学園~校内暴力で甲子園で活躍する夢を絶たれた慰謝料を主張

福岡から大阪の高校野球の名門PL学園に野球留学した一人の左腕のエース候補がいました。ところが彼は理不尽な野球部内での上級生による暴行によって、左肘靱帯を損傷し、エースとしての夢を絶たれることになってしましました。

PL学園の不誠実な対応から不満を持った家族から、私が委任を受け、相手方弁護士と示談交渉することになりました。

当初は100万円の呈示しかなく、彼の「夢を絶たれた損害」に見合った金額では到底ありませんでした。そして交渉途中に、PL学園における同種暴行事件が発覚して社会問題化したため、一切の支払いを拒否してきたものでした。

福岡地裁に提訴しましたが争点は損害額。

日本の法律上の慰謝料は、「入通院慰謝料」と後遺障害ある場合の「後遺症慰謝料」で判断されます。従って「肘を壊して野球を諦めた」という損害はなかなか金銭的に評価されにくいものです。訴訟では、彼の中学校時代の活躍を示す野球雑誌、寮内での暴行の詳細かつ執拗な様子を立証しました。

その結果、裁判所からの強い和解勧告によって、金930万円の支払いと謝罪文言、そして再発防止文言を入れた和解が成立しました。

提訴時から、ウォールストリートジャーナル(WSJ)の記者が興味を持ち、東京から福岡まで取材に来訪し、本人・家族への取材がなされ、和解成立後、大阪の同種事件とともに、記事でも紹介されました。

和解が成立して事務所に挨拶に来てくれた彼、そして御家族の晴れ晴れとした顔を今でも覚えている事件です。

事例3フランチャイズ訴訟~高崎山の猿!事件

フランチャイズ紛争では、契約締結段階における情報提供義務違反が大きな争点になります。

せんべいのフランチャイズ契約を締結した加盟店の営業不振が相次ぎ、3つの加盟店から委任を受けて本部に対して損害賠償請求を提起しました。

本部は、「煎餅のノウハウは十分なものであり、きちんと契約前にも情報提供していた」と主張して全面的に責任を争う姿勢を見せていました。

打合せでは必ず3加盟店にも集まってもらい、契約資料の照らし合わせ・変遷などについて繰り返し分析しました。

その中で3人とも一致して指摘することがありました。「煎餅が上手に焼けずに生焼けだった」「美味しくなくてリピーターが少ない」というのです。ですが、美味しくない、というのは主観ですから基本的には主張立証不可能。つい聞き逃してしまいがちな情報です。しかし美味しくないと加盟店が感じた理由を掘り下げていくと、煎餅焼き機械が「中古品ではないか」という疑惑が出てきたのです。そこで製造番号・型式番号等を頼りに様々なメーカーに問い合わせていくと、突拍子もない事実が判明しました。

なんと本部が「ノウハウに基づいて開発した煎餅焼き機械」と標榜していたものは、大分県の高崎山自然動物園のサルの餌を製造する機械の中古品だったのです。

人間用ではなく猿用の機械。しかも猿の煎餅も作れないお古ですから、人間が美味しいと感じる煎餅が焼けるわけはありません。何より「本部のノウハウで開発した機械」という勧誘は明白な虚偽であることが明らかになりました。

メーカーから証明書を入手して、本部社長の反対尋問でこの事実を突きつけると、社長は狼狽。その他にも様々な虚偽事実を突きつけることによって加盟店の主張を立証しました。

本部はそれでも和解拒否したため、判決になりましたが、3加盟店の全面勝訴となり判決は確定しました。

この裁判には後日談があり、担当裁判官から「反対尋問は見事な内容であった」という言葉を頂いたほか、本部の代理人だったN弁護士からも「自分のやってきた裁判の中で一番こてんぱんにやられた」というお褒めを頂きました。

20年の弁護士生活を経て

20年以上弁護士をしていると本当に様々な損害賠償請求事件に関わってきました。それぞれの事件、それぞれの依頼者を通じて、冒頭で触れたS弁護士のアドバイスを噛みしめています。

その他にも色々と印象に残る事件がありますので、このページで追々ご紹介して行く予定です。

いずれにしろなるべく依頼者のお気持ちに寄り添いながら、弁護士としての本道たる損害賠償請求事件として関わっていきたいと思っています。

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