少年事件・少年犯罪 最高裁・日弁連・新判例
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現住建造物等放火保護事件の保護処分決定(初等少年院送致)に対する抗告事件において、抗告を棄却した事例(名古屋高裁平成19年1月25日決定)
養護学級に在籍する中学3年生が、学内での不安感・教師の叱責等からストレスを高めて、2店舗において放火を行った非行事件。少年には非行歴がなく、保護者が少年に愛情をもって接していることなどを考慮しても、要保護性は見逃せないと判断した。
重大非行の場合、要保護性の高さが事実上推認されてしまう。裁判所としても事件の筋として施設処遇に傾きやすい。付添人としては被害弁償と要保護性の解消をからめながら、調査官・裁判官を説得していく必要がある。少年に軽度の精神発達遅滞があることからしても、十分社会内処遇も可能であった事案ではないだろうか。
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窃盗保護事件により保護観察決定を受けた少年について、後件の犯人隠避等保護事件の調査・審判を通じて身代わり犯人であったことが判明したため、裁判所書記官の報告に基づき、保護処分取消事件を立件した上、当該決定を取り消した事例(大阪家裁平成17年12月16日決定)
少年は、友人をかばったり、非行事実についても警察の言われるがままに認めてしまう傾向が強い。このケースも、少年が親友をかばって原付窃盗事件の保護観察処分を甘んじて受けていたものの、その親友が少年の鑑別所入所を言いふらしたり、被害者から損害賠償請求がなされたことから、真実を述べるに至ったもののようである。なお、裁判所書記官が、窃盗保護事件の保護処分取消しに関する立件報告書を作成し、これに基づいて裁判官が立件命令を発している。