古賀克重法律事務所ブログ

福岡県弁護士会所属弁護士 古賀克重(こが かつしげ)の活動ブログです。

福岡商工会議所でフランチャイズ講演、紛争防止のために求められる役割

 福岡商工会議所における弁護士会と商工会議所の合同勉強会に講師として招かれ、「フランチャイズ」について、講演をしました。

 フランチャイズに関しては、これまで訴訟(コンビニ、煎餅、カギ、印鑑、健康器具、引越・掃除等)、示談(コンビニ、学習塾、弁当、靴等)を経験するほか、顧問先にフランチャイズ本部もあるため、本部・加盟店双方の視点からフランチャイズを解説することになったものです。

古賀克重法律事務所ブログ フランチャイズ講演

 フランチャイズとは、事業者(「フランチャイザー」)が、他の事業者(「フランチャイジー」)との間に契約を結び、自己の商標、サービス・マーク、トレード・ネーム、その他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーは、その見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいいます(社団法人日本フランチャイズチェーン協会)。

 講演ではこの定義には4つの本質が含まれること、そこから主な紛争類型も理解できることなどを説明しました。
 やはり興味を持ってもらったのは実際に取り扱ったフランチャイズ訴訟のエピソードでした。

 ちなみにフランチャイズ業界は、現在、1286チェーン・24万5263店、売上げとしては22兆2286億円に達しています。

 ところが日本ではきちんと法律に取り込まれておらず、業界のガイドラインや既存の法律(民法、不正競争防止法、独占禁止法など)の解釈によって規制されるしかありません。

 そのため契約段階における情報開示義務、契約締結後の指導援助、そのほかにも契約終了にあたって中途解約の違約金、競業避止義務、更新拒絶などが争点として争われているわけです。

 講演でも話しましたが、フランチャイズ紛争を増える一方ですが、紛争にまで至った場合、双方当事者の負担は大きなものがあります。
その意味で、弁護士のみならず商工会議所なども積極的に紛争防止の役割を果たしていくことが求められていると思います。

 その文脈で、商工会議所の方からも、「加盟を検討している事業者・個人が、商工会議所の相談窓口などを利用して適切にアドバイスする、そのやりとりを相談カルテに残しておくと、仮に後々本部と紛争が出た場合にも何らかの証拠になるかもしれませんね」という意見が出るなど、なかなか有益な勉強会になりました。

投稿者プロフィール

弁護士 古賀克重
弁護士 古賀克重弁護士
弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。

弁護士 古賀克重

弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。