古賀克重法律事務所ブログ

福岡県弁護士会所属弁護士 古賀克重(こが かつしげ)の活動ブログです。

損害保険会社が保険料不払いを理由とし、自ら示談代行した示談金の支払いを拒絶することが信義則に反しないと判断した裁判例

保険料不払いによる特約が主張された裁判例  実務的に珍しい争点の交通事故訴訟の判決(静岡地裁令和5年4月28日判決・判例時報2564号27頁)を紹介します。  自動車保険の契約者が初回保険料の支払いを怠っている状況で、示

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頸椎後方固定術で挿入されたスクリュー抜去・再挿入術後に患者が四肢麻痺となり、スクリュー刺入方向を誤った過失が認められた事例、判例タイムズ1509号

事案の概要  自宅階段から転落した患者(男性・当時80歳)が医療機関において、頸椎後方固定術(C3~C7)を受けました。ところが、術後CT検査でスクリューの大部分が脊柱管内に逸脱し、骨への固定性が得られていなかったため、

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免許返納後に寺敷地内で運転し死亡事故を起こした福岡の82歳男性を逮捕、無免許運転には?

免許返納後に福岡市内の寺敷地で運転し死亡事故  運転免許証を返納した後にもかかわらず、82歳の男性が、福岡市博多区所在の寺敷地で自動車を運転し、女性に衝突して死亡させる交通事故が発生しました。  男性は数年前に自ら運転免

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画像診断報告書の確認不足による治療遅れが37件報告、未確立の業務工程が背景に

画像診断報告書の確認不足が37件報告  公益財団法人日本医療機能評価機構が、「医療安全情報」138号・2018年5月号にて画像診断報告書の確認不足を取り上げました。  「画像診断報告書の確認不足」については、2012年2

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薬害肝炎・国との基本合意10周年集会が開催、九州実名原告の訃報とともに第三者組織の実現を誓って

国との基本合意10周年集会が開催 2007年12月、国が薬害肝炎の全面一律救済を表明し、2008年1月、薬害肝炎救済法が成立して10年が経ちました。 この間、薬害肝炎救済法の提訴期限は2度、法改正によって延長し、いまだ被

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改正薬害肝炎被害者救済法が12月8日に成立、合わせて福岡地裁に一斉提訴

改正薬害肝炎救済特別措置法が成立 いわゆる薬害肝炎の被害の救済を定めた改正薬害肝炎救済特別措置法が2017年12月8日、参議院本会議において全会一致で可決・成立しました(投票総数234 賛成票234 反対票0)。 来年2

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「医療基本法~患者の権利を見据えた医療制度へ」が発刊

2000年以降の基本法の増加 最近成立する法律に「基本法」と名がついたものが増えています。 例えば、宇宙基本法、エネルギー政策基本法、犯罪被害者等基本法、自殺対策基本法、がん対策基本法・・ 実は2000年から2016年に

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森友学園・加計学園問題から考える公文書管理法の改正

公文書管理法制定の背景  陸上自衛隊の南スーダンPKO活動の日報、森本学園の土地取引に関する交渉記録、安倍総理夫人付職員のFAX、そして国家戦力特区における獣医学部新設に関する内部文書・・・  今国会ほど国の取り扱う文書

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「がん患者は働くな」という議員と癌患者として薬害を解決した議員

がん患者は働くなという国会議員  先日、「がん患者は働かなくて良い」という国会議員のとんでもない発言が物議を醸しました。  自民党の大西英男衆議院議員が受動喫煙規制法について議論している際、「がん患者は働かなくていいので

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