DVD「日本の薬害事件」が完成、真剣に第三者組織の実現に向けて取り組みを
薬害教育DVD、映像で学ぶ薬害シリーズ「日本の薬害事件」が完成しました。医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団から贈呈頂きました。
同財団はこれまでも各薬害事件のDVDを作成してきましたが、今回のDVDはその集大成。文部科学省教育映像等審査で「特別選定」の評価を受けています。
この1本で日本の戦後の薬害の歴史を学ぶことができるでしょう。
ちなみに薬害肝炎事件は21分頃から登場します。
大阪原告の武田さんのインタビューのほか豊富な映像で分かりやすくまとまっています。また薬害肝炎弁護団が三菱ウエルファーマに抗議に赴くシーン、大阪地裁・名古屋地裁の勝訴の旗出しのシーンも流れます。
後半の「私たちは薬害とどう向き合うか」のコーナーでは、薬害肝炎検証会議の最終提言を取り上げ、いまだ第三者機関が実現していないことにも言及。
検証会議座長だった寺野彰氏がインタビューに答え、「(第三者機関の法律が)未だ国会に上程されておらず座長としても困っている。行政、企業、そして政治がもっと真剣に対応して欲しい」と述べているのが印象的でした。
一方、厚生労働省の「薬害を学び再発を防止するための教育検討会」は12月3日、中学校3年生向けの薬害教育教材の教員用指導の手引や映像教材の内容をまとめました。
手引では授業時間50分としてどのように話を導入し、展開していくかなどをまとめたもの。
来年度には最終的に確定した教材が各中学校に届く予定です。
とはいえ教える側が薬害の歴史や問題点を理解していないと授業自体が上滑りになる可能性もありますから、DVD「日本の薬害事件」も予習用に使用するなど上手く利用して欲しいと思います。
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投稿者プロフィール

- 弁護士
- 弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。
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