新薬「ヴィキラックス配合錠」に重大な副作用肝不全、使用上の注意改訂指示へ
先日承認されたばかりのC型慢性肝炎に対する抗ウイルス薬「ヴィキラックス配合錠」。
「オムビタスビル」、「パリタプレビル」、「リトナビル」の3剤配合剤で、適応は、ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」です。
11月26日に薬価収載されましたが、同日に使用上の注意の改定指示も出されました。
改定の概要は、「禁忌」の項に「Child-Pugh 分類 B の肝機能障害のある患者」を追記すること、「重要な基本的注意」の項に肝不全に関する注意喚起を追記すること、重大な副作用」の項に「肝不全」を追記することの3点です。
海外症例が集積し、国内承認後に米国添付文書が改訂されたことから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断したものです。
米国食品医薬品局(FDA)は、ヴィエキラパックを使用している患者に疲労・脱力・食欲不振・吐き気・嘔吐などが出た場合にはすぐに専門医に相談するように警告していました。
直近 3 年度の国内副作用症例として、肝不全関連症例 0例ということですが、治療現場に早めに注意喚起するものとして評価できるでしょう。
いずれにせよ添付文書において、「本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること」と警告されている通り、専門医の経過観察の下で慎重に投与していくべきです。
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投稿者プロフィール

- 弁護士
- 弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。
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