医療事故調査制度の受付件数が報告、8か月で251件と低調
2015年10月1日から運用開始した医療事故調査制度。
年間1000件から2000件が想定されていましたが大幅に下回る件数で推移しています。
日本医療安全調査機構が平成28年5月末時点の状況を公表しました。
それによると2016年5月末まで累計251件にとどまっています。
開始した10月は19件、その後、11月27件、12月36件、1月33件、2月25件と推移していました。
3月には最多の48件になりましたが、5月はまた減少し30件でした。
地域的には関東信越地区が106件と一番多く、近畿と九州が39件と続いています。
診療科としては、外科が増えて一番多かった内科を越えて42件、内科は37件、整形外科27件、消化器科19件、産婦人科17件となっています。
医療事故調査報告(院内調査結果)がなされた件数は5月に13件あり、合計78件になりました。
一方、センター調査の依頼件数は2件のみであり、院内調査結果がそれなりに受け止められていることを示唆しています。
いずれにしろ医療事故調査は、予想された年間1000件はおろか500件にも達しない情勢。
院内調査が必要不可欠な事案について、例えば遺族が問題にしていないことからうやむやにしているケースがないか等、原因分析も必要と思われます。
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投稿者プロフィール

- 弁護士
- 弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。
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