FDAが全ゲノタイプに有効な慢性C型肝炎治療薬を初承認
FDA(米食品医薬品局)が6月28日、1から6型まで全ゲノタイプ(遺伝子型)の慢性C型肝炎治療薬を承認しました。
「ソホスブビル(Sofosbuvir)」と「ベルパタスビル(velpatasvir)」の合剤である「エプクルサ(Epclusa ギリアド・サイエンシズ社)」です。
全ゲノタイプに使用できる慢性C型肝炎治療薬としては初になり、1日1回の経口薬です。
C型肝炎ウイルスは遺伝子型によってグループが分かれ、現在少なくとも6つの遺伝子が判明しています。
各遺伝子型によって薬剤の効果も異なるため、それぞれ薬剤が研究されてきました。
例えば日本のC型肝炎患者は1b型が一番多く 1a、2a、2bの患者もいます。
一方、アメリカでは75%が遺伝子1型、20から25%が遺伝子2型ないし3型になっているほか、遺伝子4、5、6の患者もいますので、アメリカでは使いやすい薬剤といえるのかもしれません。
また定価は12週間投与で7万4760ドル(約767万円)とされています。
ギリアドは、「(高いと批判を受けた)ソバルディの8万4000ドルやハーボニーの9万4500ドルよりも安い」と強調して市場に売りだそうとしているようです。
なおエプクルサの副作用としては、頭痛や倦怠感が指摘されているほか、抗不整脈薬であるアミオダロンとの併用は推奨されていません。
目次
投稿者プロフィール

- 弁護士
- 弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。
最新の投稿
交通事故 自転車2025年8月18日自転車の飲酒運転で福岡市の看護師が懲戒解雇処分に、改正道路交通法で取締りが強化中
医療過誤・医療ミス 歯科2025年8月12日腎機能低下患者へ抗菌薬の常用量を処方、歯科ヒヤリ・ハット通信3号
C型肝炎2025年7月30日薬害肝炎全国原告団弁護団と福岡資麿厚生労働大臣との大臣協議を開催
未分類2025年7月17日自転車の歩道通行に青切符、改正道路交通法で反則金が導入