米FDAがC型肝炎の新治療薬Zepatier(グラゾプレビルとエルバスビル)を承認
米食品医薬品局(FDA)が2016年1月28日、C型肝炎治療薬としてZepatier(米メルク)を承認しました。
Zepatierは、グラゾプレビル(NS3阻害剤)とエルバスビル(NS5A阻害剤)の配合剤になります。
適応は、HCV遺伝子型1および4の感染による慢性肝炎。リバビリンの併用の有無にかかわらず投与できます。
肝硬変患者や、ペグインターフェロン(PEG‐IFN)+リバビリンでの未治療・治療によらず、効果を発揮したと報告されています。
副作用が比較的少ないのも特徴です。
Zepatier単独投与の副作用は、疲労、頭痛と吐き気。リバビリンとZepatierの併用療法の副作用は、貧血や頭痛。
このグラゾプレビルとエルバスビルについては、日本でも治験が行われています。
62例中61例が治癒し、フェーズⅡ(第Ⅱ相試験)までは明らかな副作用が出ておらず、やはり副作用の少なさがうかがえます。
また何よりも大きな利点としては、透析患者にも有用と思われる点です。
C型肝炎は「治る時代」を前提にして、体に合わせて薬を選ぶ時代に突入しつつあるといえるでしょう。
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投稿者プロフィール

- 弁護士
- 弁護士古賀克重です。1995年に弁護士登録以来、患者側として医療過誤を取り扱っています。薬害C型肝炎訴訟の弁護団事務局長として2008年の全面解決を勝ち取りました。交通事故も幅広く手掛けており、取扱った裁判が多数の判例集で紹介されています。ブログではその主たる取扱い分野である医療過誤・交通事故について、有益な情報を提供しています。
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